群馬県の
荒船風穴に行ってきました。
風穴とは?
ざっくり言うと、山の中にある冷たい風が吹いてくる天然の冷蔵庫です。
写真を見るほうが早いので、早速どうぞ。
写真で見ると、ちょっと
竹田城みたいでしょ?
でもこれは、お城の石垣ではなく、倉庫の跡です。
近くで見ると、こんな感じです。
この石でできた穴の中では、石の隙間から冷たい風が吹いてくるのです。
なので室内はなんと、夏でも1~2度くらいで、とっても涼しい(寒い)のです。
さて、この天然の冷蔵庫は何に使われていたかと言うと。
蚕種の保存です。
カイコさんは、春になり暖かくなってくると「そろそろ孵化しようかな~」と卵が孵り始めます。
そして大人になり、卵を産みます。
その卵は3か月ほど冷気にさらされないと、暖かくても孵化しません。
なので昔はカイコさんは年に一度しか飼育ができなかったのです。
春、その年のカイコさんが日本全国で一斉に孵化し、その子たちが卵を産むと、今年の養蚕は終了、また来年の春まで養蚕はお休みでした。
それを冷蔵庫を使うことで、孵化の時期をコントロールできるようになりました。春の最初のカイコさんが繭を作ったら次のカイコさんの卵を冷蔵庫から出して孵化させて……。カイコさんのゴハンである桑の葉がある間なら、年に二度も三度も飼育できるようになりました。それが、この風穴の功績。
年に一度が、年に二度も三度も。つまり、繭の量が二倍、三倍。収入も、二倍、三倍です。
全盛時には日本全国から「うちの卵も預かって」という依頼が舞い込んできたというこの風穴。
今はこのように、まるで遺跡のような佇まいとなってます。