1アールの畑から約70キログラムの桑の葉が収穫される、というお話をしました。
1アール = 桑 70キログラムちなみにこれも、下記の情報を聞いたことがあります。
桑の品種「一ノ瀬」 10アール = 1,668キログラム桑の品種「しんいちのせ」 10アール = 1,713キログラム(※春蚕期)
あれ? 計算が合わない? と思いましたか? 私も思いました。
1アール=70キログラムというのはあくまで標準、桑の品種、植え方、手入れの仕方、肥料、土地、日当たり、春、夏、秋、それぞれの要因で大きく違います。
よい繭はよい桑から、の言葉通り、小さな面積の畑でもびっくりするぐらいの桑が取れる畑もあれば、大きな面積からたくさん取ってきたけれど、重量はそれほど上がらない、ということがあります。
特に春は枝(条)の部分が太く立派であることが多いので、自然、重さが出るようになります。
さて、お蚕さんにどれくらいの桑がいるのか。
飼育標準表から引用します。
30,000頭を飼育した場合の必要な桑の量です。
1齢1日め 310グラム
2日め 760グラム
3日め 1,130グラム
計 2.2キログラム2齢1日め 0.5キログラム
2日め 3.2キログラム
3日め 3.1キログラム
計 6.8キログラム3齢1日め 2.0キログラム
2日め 6.9キログラム
3日め 11.0キログラム
4日め 8.5キログラム
計 28.4キログラム4齢1日め 25キログラム
2日め 40キログラム
3日め 52キログラム
4日め 65キログラム
5日め 43キログラム
計 225キログラム5齢1日め 20キログラム
2日め 70キログラム
3日め 95キログラム
4日め 145キログラム
5日め 170キログラム
6日め 200キログラム
7日め 200キログラム
8日め 200キログラム
9日め 170キログラム
10日め 70キログラム
計 1,340キログラム(春蚕 飼育標準表 群馬県 より引用)
合計すると、
30,000頭 = 1602.4キログラムということになります。
思ったよりも少ないですか?
私もそう思っています。
実際に数字を見ると、少なく感じてしまいますね。
軽トラックの最大積載量が350キログラムですね。
というわけで、
3箱を育てている農家さんの場合、5齢の6日目あたりでは、1日に必要な桑の量が600キログラムになります。
軽トラ2杯分ですね。
そして農家さんは「毎日必要量ぎりぎり」を収穫してくるわけではありません。
少しでも余計に桑を食べさせて大きな繭を作りたい、雨や不慮の事故に備えて少しでも多く桑を取っておきたい、と考えますので、実際は3杯~4杯くらい取ってきたりします。
3箱の蚕を飼育しようと思えば、最も忙しい時期は、軽トラ3~4往復分の桑を毎日取りに行かねばならない、ということです。
これが養蚕で一番大変な所です。
ところで、これ、最初にだした数字と見比べてください。
桑の品種「しんいちのせ」 10アール = 1,713キログラム30,000頭 = 1602.4キログラム30,000頭を飼育するには10アールの畑が必要、ということになります。
(※実際は足りなくなると思いますので、桑は余るようにたくさん作っておいたほうがよいです)
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